新会社や個人事業主には『法人ETCカード』をお勧めする理由

会社を設立したばかりの代表者さんや個人事業主さん、社用車・営業車に必須のETCカードはもう手に入れましたか?カードを申し込むにあたっては、まずはクレジットカードが必要になりますが、新設法人や事業を始めたばかりの無名の個人事業主では、なかなかカードの審査に通らないのが実状です。

今回はそんな方々でも簡単に発行できる『法人ETCカード』について解説します。法人ETCカードはクレジット機能がついていないから、簡単にカードが発行できるんですよ。なかなかクレジットカードの審査に通らないとお悩みの社長さん、法人ETCカードを手に入れて一日でも早く営業に出かけましょう。

目次

ETCコーポレートカード

法人ETCカードは事業共同組合から申し込む

新設法人は審査基準が厳しい

 

ETCカードは通常手持ちのクレジットカード会社に電話をして必要枚数を発行してもらいますが、そもそも個人法人を問わずにクレジットカードは『信用力』がないと発行してもらえません。法人が申し込む場合はなおさらです。「この会社は信用力があるだろうか、支払いが滞るようなことはないだろうか」 法人契約となるとクレジット決済の額も高額になりがちですし、キャッシングで資金調達も可能です。それだけカード会社にとってはリスクが高くなりますから審査基準も厳しくなるのです。
審査で経営状況に問題がないと判断されれば無事にカードは発行されますが、会社を新しく興したばかりの法人や無名の個人事業主となると話は別です。設立間もない会社ではまだ何の取引実績もありませんので、経営常態を判断するだけの材料がありません。よってクレジットカードの審査に通らずETCカードが発行できない、このようなケースは非常に多いようです。

事業共同組合なら法人ETCカードの発行は簡単に

「クレジットカードの審査に通らないからETCカードも発行できない」この問題は事業協同組合に加入すれば解決します。事業協同組合と聞いてもいまいちピンとこないと思いますが、JA(農協)や生協と聞くとイメージがしやすいでしょう
『事業協同組合とは、立場の弱い中小企業が共通する目的を達成するために集まった事業体』
全国から中小企業や個人事業主が出資金を出し合って組合を作ります。多くの出資金を集めた組合は、組織として信用力を示すことができるようになります。設立間もない会社は、直接カード会社に申し込むよりも事業協同組合を通じて申し込めば信用力がありますので容易にETCカードの発行が可能になります。
このように法人ETCカードの発行代理業務を専門におこなっている事業協同組合は、全国に大小合わせて50以上も存在します。全国からETCカードを利用したい中小企業や個人事業主を集めて、まとめてカードを発行したり、ETC料金の集計や請求業務を行っています。

法人ETCカードの審査はとっても簡単

法人ETCカードはクレジット機能がついていません。クレジット機能がついていないということは、審査そのものが不要、発行基準も大変低くなっています。例外もありますが、法人なら会社の謄本を、個人事業主なら確定申告書を提出して、会社の存在が取れればほぼ通ると言われています。このように、今までクレジットカード会社の審査に通らなかった法人さんも、事業協同組合を通じて申し込めば簡単にETCカードが発行可能なのです。それでは次に法人ETCカードのメリットとデメリットをみていきましょう。

法人ETCカードのメリット・デメリット

メリット

審査が不要

法人ETCカードはクレジット機能やキャッシング機能がついていません。通常のクレジットカードといえば、買い物でクレジット決済が可能ですが、口座から代金が引き落とされる前に会社が倒産してしまえばカード会社は回収不能になってしまいます。しかし法人ETCカードはこれらの機能がついていないので、そもそも審査をする必要がないのです。代わりに事業協同組合が支払い保証をするので、クレジット会社は安心してETCカードを発行することができるわけですね。法人ETCカードは高速道路の料金決済に限定されたカードです。

使い回しが可能

法人ETCカードはカードの使い回しが可能です。他の車両や出張先のレンタカー、修理時の代車に挿入してもオッケーです。一方、ETCコーポレートカード(大口事業者専門のETCカード)は登録した車両にしか使うことができませんから、この点ではかなりのメリットと言えます。

クレジット機能がついていないから社員に渡しても安心

法人ETCカードにはクレジット機能やキャッシング機能がついていません。高速道路の料金決済のみにしか用途がありませんから、従業員にも安心して渡すことができます。

ETC割引は通常通り受けられる

画像引用:「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」http://www.driveplaza.com/
ETC割引も他のETCカードと同じように受けられます。休日割引30%、深夜割引30%、平日朝夕割引(マイレージの登録が必要)なら最大50%の割引が適用されます。たまに「法人ETCカードなら最大50%割引!」と謳ったサイトを見かけます。あたかも法人ETCカードにしかない割引のような誤解を招く表現ですが、これらの割引はクレジットカード会社発行のETCカードでも全く同じように適用されますのでご注意下さい。

ETCマイレージが貯まる(マイレージ付きカード)

ETCカードはETCマイレージが貯まるタイプと貯まらないタイプの二種類から選択が可能。ETCマイレージとは走行料金に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは翌月に無料走行分として還元されるシステムです。最初だけ登録が必要ですが「自動ポイント還元」に設定しておけば、後は走行に応じて自動的にポイントが付きます。※東京・大阪近郊の高速道路ではマイレージは貯まりません

マイレージの詳しい説明につきましてはコチラをご覧下さい

発行がスピーディー

法人ETCカードはクレジットの審査がないので、スピーディー発行。クレジット会社発行の法人カードは約3週間はかかりますが、法人ETCカードは約10日前後で郵送されてきます。

複数枚発行が可能

会社で使うETCカードは必要な枚数が作れないと困りますよね。法人ETCカードは複数枚発行が可能ですので、会社の規模が大きくなり、保有台数が増えたらどんどん追加申し込みをしましょう。
※発行枚数は事業協同組合ごとに上限あり

経費処理が簡単

法人ETCカードは全車両一括口座引き落としなので、経費処理が簡単です。ほとんどの事業協同組合で、

  • 月末締めの翌月請求書発行
  • 翌々月に口座振り替え

となっています。 また全車両の走行履歴が一枚の利用明細票でまとまっていて、とても見易い作りになっています。「いつ、どの車両が、どの高速道路を、何時に通過して、何時に退出した、金額はいくらだった」まで細かく確認が可能。社長や経理、車両運行担当者は明細票を見て、無駄な走行がなかったか、不正利用がなかったか、などが分かりますし、営業ルートや配送ルートの見直しを図ることもできます。

デメリット

初期費用が必要

事業協同組合は互助会のような組織なので、加入時に出資金として1万円(脱退時には返金)が必要です。
出資金は組織を運営するための必要な資金です。
  • 出資金         10,000円
  • カード発行手数料    500円~800円(税抜き)/1枚
  • 取扱手数料       500円~800円(税抜き)/1枚(年1回)

※手数料は各事業協同組合ごとに異なります

出資金は加入時だけにかかる費用ですが、カード発行手数料は、カード一枚発行ごとにかかります。

走行料金に応じて事務手数料がかかる

組合員の利用明細票を作成したり、請求書を作成して郵送するのは事業協同組合の事務員さん。大変な作業ですので、月の走行料金の合計額から(注)5~8%を事務手数料という形で徴収しています。

(注)手数料は各事業協同組合ごとに異なります

カードの利用料金が増えてくると事務手数料も比例して増えますので、この部分はデメリットです。

二種類のタイプから選ぼう

ETCマイレージが貯まるor貯まらない

法人ETCカードは二種類のブランドと、それぞれに二種類のタイプがあります。ブランドは「UC」と「セディナ」の二種類だけ。違いはブランド名だけで、利用方法や割引適用、手数料等は全て一緒です。各事業協同組合ごとに取扱いブランドが異なるだけです。

ここで説明する二種類というのは、ETCマイレージが貯まるタイプかどうか

ETCマイレージサービスに登録すると、平日朝夕割引が受けられるようになります。地方部の高速道路で、平日の特定時刻(6時~9時、17時~20時)に、地方部の高速道路を利用すると月の走行回数に応じて利用料金が最大で50%割引されます。また走行料金に応じてポイントが貯まるので、例えばNEXCO道路なら50,000円分の走行で5,000円分のポイントが還元されます。

平日朝夕割引の詳しい説明はコチラをご覧下さい

「そんなのマイレージが貯まる方がいいに決まってるじゃないか」と思いますよね。しかしこのマイレージが貯まるタイプと貯まらないタイプ、どちらを選択するかで事務手数料が違うのです。

  • マイレージが貯まる  ⇛8%
  • マイレージが貯まらない⇛5%

手数料に3%差がありますので、利用状況に合わせて適切な方を選択しましょう。

【マイレージ有無比較表】

マイレージ

貯まる

マイレージ

貯まらない

手数料8%5%
ETCマイレージ
平日朝夕割引(最大50%割引)
休日割引(30%割引)
深夜割引(30%割引)
カード発行手数料500~800円(税抜き)/1枚500~800円(税抜き)/1枚
年会費500~800円(税抜き)/1枚500~800円(税抜き)/1枚

どちらを選べばいいか分からない、という方は平日の朝と夕方にどれだけ地方部の高速道路を走行するかどうかで決めましょう。平日朝夕割引は朝は6~9時、夕方は17~20時の間に料金所を通過するか退出することが条件です。この時間に高速道路を利用する機会が多いのであれば、マイレージが有りタイプを選びましょう。

逆に地方の高速道路はほとんど利用せずに東京・大阪の近郊の走行がメインであれば、そもそも東京・大阪近郊の高速道路はマイレージが貯まりませんから、マイレージ無しタイプを選択しましょう。

  • 平日朝夕割引を受けたい⇛マイレージ付き
  • 東京・大阪近郊の走行が多い⇛マイレージ無し

必要書類

必要書類はどこの事業協同組合も同じです。以下の書類を揃えましょう。

  • 法人の場合…商業登記簿謄本(コピー可)
  • 個人事業者…所得税確定申告書(コピー可)
  • 車検証のコピー
  • ETC車載器セットアップ証明書のコピー

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は法人ETCカードについて解説しました。設立間もない会社や、事業を始めたばかりの個人事業主は、クレジットカードの審査に通りにくくETCカードを作るまでが大変です。しかし事業協同組合を通じて法人ETCカードを申し込めば、審査が不要なので容易にかつ時間をかけずに作成が可能です。

一日でも早くETCカードを手に入れたいのであれば、全国にある事業協同組合に連絡をして法人ETCカードを申込みをしましょう。「事業協同組合はどこも同じ見えて、どの組合から申込めばいいのか迷ってしまう」という方は、以下のリンク先から申込みことも可能です。ETCコーポレートカードの取扱いをメインにしていますが、法人ETCカードも取扱っていますよ。

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ETCコーポレートカードは、通常の時間帯割引に加えてさらに最大40%現金値引き。いままで法人ETCカードでマイレージポイントのみ貯めていた方は、この機会にぜひ切り替えを検討してみてください。

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