高速道路を頻繁に利用する事業者様、個人事業主様、まだクレジットカード会社発行のETCカードをお使いですか?
ETCコーポレートカードならネクスコ道路は最大で40%(ETC2.0装着車)、首都高・阪神高速道路は最大25%(阪神高速は20%)割引で走行可能です。
ETCコーポレートカードとは、法人と個人事業主だけが使用できる業務用ETCカードのことで、「大口多頻度割引」と呼ばれる独自の割引が受けられるのです。
この割引が受けられるのはETCコーポレートカードだけ。
クレジットカード会社発行のETCカードにはありません。
特に首都高・阪神高速道路は、通常のETCカードではマイレージすら貯まらないことから、ETCコーポレートカードは高速料金の経費削減には欠かせないアイテムと言えます。
事実、最近では首都圏の個人事業主様からの問い合わせが増えてきております。
カードを導入するにあたっての月額利用額の目安は1ヶ月間に車両1台あたり、3万円以上。
社有車の中でこれに該当する車両が1台でもあれば、カードをETCコーポレートカードに差し替えるだけですぐに経費削減につながりますよ。
まだETCコーポレートカードを申込んでいない方、これから申込み予定の方、すぐにでも発行手続きに移りたいところですが、チョット待って下さい!
このカードを利用するためには、通常のETCカードにはない、いくつかのルールがあるのです。
今回はETCコーポレートカードを申し込む前に覚えておきたい、独自のルールを解説します。事前に把握しておくことで、カード導入後にスムーズに利用することができます。
しっかりと目を通しておきましょう。
目次
ETCコーポレートカードの割引率
他のETCカードとの違いは?
ETCコーポレートカードは、マイレージは貯まりませんが、1ヶ月あたりの走行金額に応じて大幅な割引率が適用されます。各道路公社ごとの割引率を見ていきましょう。
まずはETCコーポレートカードとクレジットカード会社発行のETCカードの違いから。
クレジット会社ETCカード | ETCコーポレートカード | |
時間帯割引 | ○ | ○ |
NEXCO道路割引 | マイレージ割引最大9% | 最大40%(ETC2.0搭載車) |
首都高・阪神高速割引 | 無し | 最大25%(阪神高速は20%) |
まず目に飛び込んできたのは最大40%、25%の割引率ではないでしょうか?クレジットカード会社発行のETCカードでは、マイレージが最大9%が貯まるだけ、さらに首都高速、阪神高速道路では一切割引がありません。
この割引率が適用されるとなれば、高速道路料金の経費節減の効果は絶大ですね!
ただし注意しておきたいのが、月間の利用額全体から40%、25%割引になるわけではないということ。
月額利用額が50万円なら20%の10万円が差し引かれるわけではありません。
実は利用額に応じて割引率が若干異なるのです。以下の表をご覧下さい。
■首都高・阪神高速
利用料金(車両1台/1ヶ月) | 首都高/阪神高速 |
5千円を超え~1万円の部分 | 10%/10% |
1万円を超え~3万円の部分 | 20%/15% |
3万円を超え~5万円の部分 | 25%/20% |
首都高中央環状線より内側を通らない部分 | +10% |
■NEXCO東/中/西
車両単位の利用額/月 | 割引率 |
5千円を超え1万円までの部分 | 10%(※20%) |
1万円を超え3万円までの部分 | 20%(※30%) |
3万円を超える部分 | 30%(※40%) |
※ETC2.0搭載車両に限り適用される割引率
ご覧のように、各利用額の区分に応じて割引率が異なるのです。
ETCコーポレートカード割引額の計算方法
仮にネクスコ道路を月に10万円分利用した場合の割引額がいくらになるのでしょうか?
実際に計算してみましょう。
対象となる金額 | 割引率 | 割引額 | |
0円〜5,000円の部分 | 5,000円 | 0% | 0円 |
5,000円〜10,000円の部分 | 10,000ー5,000=5,000円 | 10%(※20%) | 500円 |
10.000円〜30,000円の部分 | 30,000ー10,000=20,000円 | 20%(※30%) | 4,000円 |
10.000円〜30,000円の部分 | 100,000ー30,000=70,000円 | 30%(※40%) | 21,000円 |
※カッコ内はETC2.0搭載車
割引額の合計=500+4000+21000=25,500円
請求金額=100,000-25,500=74,500円
全体に対する割引率=25.5%
*利用額の全体から30%、40%割引になるわけではない
1ヶ月で25,500円割引されますから、年間で306,000円も経費削減。
ETCコーポレートカードに切り替えるだけで、こんなにも高速料金が安くなるなんて、ありがたい話ですよね。
他の割引との併用について
時間帯割引とは「深夜割引」や「休日割引」のこと。
ETCコーポレートカードに切り替えてもこれらの割引はちゃんと適用されますので安心して下さい。
ただし他の割引との併用は受けられません。どちらか割引率の高い方が優先されます。
休日割引
対象となる曜日に、対象となる車両でETCゲートを通過すると、高速道路料金が割引されます。
割引率は30%。
■割引対象車種
- 普通車・軽自動車等(二輪車)限定
■割引対象日
- 土曜日・日曜日・祝日(終日)
- 毎年1月2日、3日
深夜割引
深夜割引は、休日割引と異なり「全ての車種」が適用になります。
こちらも割引率は30%。
■割引対象車種
- すべての車種
■割引対象日時
- 毎日0時~4時
時間帯割引について詳しい解説はこちらから
「平日朝夕割引」とは、平日の朝夕の決まった時間帯にETCゲートを通過すれば、利用回数に応じて利用料金の30%・50%が還元されるお得な割引です。
ETCマイレージに登録すれば、自動的にこの割引が適用されます。
ETCコーポレートカードとの併用についてですが、月額の総利用額から30%ないし50%が割引され、さらにそこからETCコーポレートカードの大口多頻度割引が適用されるわけではありません。
走行距離100キロ分まで平日朝夕割引が適用され、100キロを超える部分についてETCコーポレートカードの割引が適用されます。少しややこしく感じますが、混同されないように気を付けて下さいね。
平日朝夕割引についての詳しい解説はこちら
ETCコーポレートカードの利用ルールについて
高い割引率が嬉しいETCコーポレートカードですが、他のETCカードにはない独自のルールがある点も覚えておかなければなりません。
違反をすると、割引停止やカードそのものが利用停止になることだってあるのです。
不正使用
ETCコーポレートカードは、1台の車両につき1枚の専用カードが付与されます。
そのため、登録していない他の車両にカードを挿入して利用することは禁止されています。
クレジットカード会社発行のETCカードは他の社用車やレンタカーに挿しても使えますが、ETCコーポレートカードはこのようなカードの使い回しができません。
割引停止要件
画像引用:本州四国連絡高速道路株式会社
ETCコーポレートカードを利用する業種は多岐に渡りますが、その中でも多いのが運送業、運輸業です。
これらの業種に対して、特に厳しく定められているルールが「過積載」。
過積載は「車両制限令違反」と呼ばれ、事故の元や、道路の老朽化にもつながるため、厳格なルールが定められているのです。
この過積載が後を絶たないことから、平成29年4月1日から高速道路6社が、車両制限令違反者に対する割引停止措置等を見直しました。
≪個別の違反に対する措置≫指導取り締りの結果、違反が確認された場合には以下の措置を講じます。 1 違反の程度に応じて「措置命令」や「指導警告」を実施 2 「措置命令」や「指導警告」等の区分に応じて違反点数を付与 3 悪質な違反者については、告発するとともに、累積点数にかかわらず 一部割引停止を実施 ≪点数累積に応じた措置≫ 停止」の措置を実施します。 2 累積点数に応じて「割引停止」や「利用停止」の措置を講じる場合、契 約者に対して「警告」を行います。 ≪「警告」の累積に応じた措置≫ に対し割引を停止する措置を講じます。 |
私たち一般車に適用される道路交通法のようなルールが運送業にも存在します。
例えば、一旦停止違反や速度超過違反など、違反の種類に応じて点数が累積されていきますよね。
それと同じで、過積載や軸重超過(積み荷の重量配分違反)などの違反種類に応じて違反点数が累積されていくのです。
点数はNEXCO3社に首都、阪神、本四の3社を加えた、計6社で違反情報が共有され、6社合算で各四半期(1~3月、4~6月、7~9月、10~12月)の合計が30点を超えると警告文書を送付。期間を指定して、その間に再違反があれば処分されます。
処分とは、ETCコーポレートカードの割引が適用されなくなること
割引停止は運送・運輸業にとっては死活問題。それだけ過積載は厳罰な措置が講じられるのです。
まとめ
今回はETCコーポレートカードを発行するまえに確認しておきたいこと3つを解説してきました。
高い割引が受けられる反面、クレジットカード会社発行のETCカードにはない独自のルールが設定されていました。
しかし、カードの使い回しミスはETC車載器に挿しっぱなしにしておけば防ぐことができますし、過積載も運送業の絶対ルールです。
これらを守れば大幅な経費削減が可能ですので、導入しない手はありませんね。
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