記録的な猛暑が続いた今年の日本列島。
2018年7月23日、埼玉県熊谷市では13時前に気温はぐんぐん上昇し、40℃を突破。14時16分に41.1℃を観測し、5年ぶりに更歴代最高気温を更新しました。
このような中、今年の夏は「ETCカードを機器が認証しない」「ETCゲートが開かなかった」などのトラブルが多発しているようです。夏は車内の温度は高温になるので、日中サンシェードなどの日除け対策をしない車内の温度は80℃近くにも登ります。
これだけ高温になればETC車載器や、ETCカードが変形、劣化することはあり得ること。
ならば、車を乗り降りする度に毎回ETCカードを抜き差ししなければならないのでしょうか?
今回は夏場のETCトラブルを防止するために知っておいきたい情報をお伝えします。
目次
真夏の車内温度は80℃近くに
JAFが2013年に実施した夏場の車内温度上昇テストをおこないました。
午後12時から4時間、駐車条件の異なる車両(ミニバン)を5台用意し、炎天下における車内温度を測定。
ボディカラーが黒の車は、車内の温度は57℃、ダッシュボードの温度は79℃まで上昇
ETC車載器とETCカードは何℃まで耐えられるのか?
夏場の車内は、人間なら到底耐えられないほどの温度まで上昇することが分かりましたが、ETC車載器とETCカードは故障・変形しないのでしょうか?
ETC車載器はメーカーが日本の夏場にも耐えられるよう設計しているので(85℃動作保証)問題ありません。またマツダ車に多いETCで、天井に埋め込むタイプがあります。車の天井は特に高温になりがちで、さらにボディカラーが黒だとなおさらです。しかしこちらもETC車載器メーカーがしっかりと耐熱設計しているので大丈夫。
しかし問題はETCカード。カードを高温のETC車載器に挿しっぱなしの状態が続けば、熱でカードが収縮して通電しなくなる可能性は十分にあります。通電しなければ車載器がETCカードを認識できず、ゲートは開きません。
ちなみにカードの耐熱温度は45℃位と言われていますが、カードの故障を避けるためにも、夏場のETCカードはできるだけ抜いておくほうがいいでしょう。
盗難・不正利用防止のためにもカードは抜いておく
高温による劣化・破損を避けるためにも、また防犯の観点からもETCカードはなるべく抜いておく方が良いですが、実際は挿しっぱなしの人が多いようです。
- いちいち抜いて持ち歩くのが面倒
- 抜いてしまうと入れ忘れが心配
- 万が一盗まれても、そのカードを使用して料金所を通ればすぐにバレるだろう
- 盗難補償がついているので大丈夫
ここで注意!
ETCカードの盗難補償は、車載器に入れっぱなしのETCカードが盗まれて不正使用されても、カード会社は補償してくれません!補償を受けるためには、カードの管理に落ち度がないことが証明しなければなりませんが、カードを挿しっぱなしにしておくことは、管理者の落ち度であり「重大な過失」とみなされる可能性があるのです。(カード会社毎に補償内容は異なります)
実際、ETCカードの盗難と不正使用されるケースはあまりありません。なぜなら盗難したETCカードを使用してゲートを通過すれば、車のナンバーや、車載器管理番号などが判明し、すぐに不正がバレてしまうから。クレジットカードは暗証番号が分かればキャッシングもできますが、ETCカードは無線通行にしか利用できません。盗む側にはメリットがないのです。
しかし「一体型ETCカード」をお使いの方は要注意!一体型ETCカードとは、クレジットカード機能とETCカードの両方の機能を持ち合わせているカードのこと。
カードが一枚で済むというメリットはありますが、万が一、カードが盗難に遭えば悪用されやすいデメリットも持ち合わせています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、夏場のETC高温対策をご案内しました。
高温の車内にETCカードを挿しっぱなしにしておけば劣化・故障の原因になります。使えないETCカードを挿入したままゲートに進入すれば事故の元にもなりますし、防犯の観点からもカードはできるだけ抜いておくほうがよいでしょう。