クルマのエンジンや駆動装置など、安全に走行するための機構や装置に、何らかの不具合が生じていると点灯または点滅する警告灯。エンジン始動時に全ての警告灯が点灯し、その後すぐに消えるクルマは正常な証。
この「警告灯」が点灯または点滅している車両は、昨年の平性29年2月より、車検に通らなくなっていることをご存知でしょうか?制度が厳格化されてからもうすぐで1年。今回はどの警告灯が点灯・点滅していたら車検に通らないのか、あらためて制度の概要と対策について解説します。もし愛車で該当する警告灯が点灯していたら要注意ですよ。
目次
対象となる警告灯は全部で5種類
今回の車検制度の変更を発表したのは「独立行政法人 自動車技術総合機構(以下機構)」。
あまり聞き慣れない団体名ですが、簡単に言えば各都道府県にある陸運局で自動車検査をしている団体です。
機構は「審査時における車両状態」として以下の事項を規定しました。
対象となる警告灯:前方エアバッグ、側方エアバッグ、ブレーキ、ABS、原動機(エンジン)の5種類。
いかなる理由があっても、エンジンを始動した後にこれらのインジケータが点灯した状態では「車検審査を受けることができない」と発表しています。
各警告灯の意味は
それぞれの警告灯は車両が以下の箇所から不具合を見つけた時に表示されます
①前方のエアバッグ警告灯:エアバッグが使えない又は、正常に作動しない可能性がある
②側方のエアバッグ:サイドエアバッグが使えない又は、正常に作動しない可能性がある
③ブレーキ警告灯:ブレーキシステムに異常発生。サイドブレーキを下ろしているのに点灯していれば異常
④ABS警告灯:ABSシステムに異常発生。正常に作動しない可能性がある
⑤エンジン警告灯:エンジン本体だけなくセンサーなどの不具合の可能性もある。排ガスにも影響
※その他の警告灯で、空気圧警告灯や灯火類の球切れ警告灯、トラクションコントロール警告灯などもありますが、これらが点灯しても車検上では問題ないようです。
警告灯を消すにはどうしたらいいの
警告灯を消す方法は二つ。①不具合箇所を修理するか、②車両とノートパソコンのような専用の装置をコネクターで繋いで消去する。
エンジン警告灯が点灯すると、修理するにはエンジンを載せ替えるなど大掛かりな作業を想像するかもしれません。そうなると修理代に何十万円もかかるのでは?と心配になりますよね。
しかしエンジンの他にも例えば、O2センターといって排気ガスの酸素濃度を測るセンサーに異常がある場合にも点灯します。この場合はセンサーを交換すればオッケーです。費用は車種にもよりますが部品代で25,000円〜35000円ほどです。エンジン警告灯が点灯、イコール=修理に何十万円もかかるわけではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は厳しくなった警告灯制度について解説をしてきました。愛車は警告灯が点灯していませんでしたか?点灯していた警告灯は車検に通らないものでしたか?警告灯が点灯するということは、車両のどこかに不具合が発生しているから。走行中に突然止まってしまっても困るし、万が一の事故の際エアバッグが正常に作動しなければ、自分はもちろん搭乗者も被害を被ります。ブレーキシステムに異常があり正常に作動せずに前の車に追突すれば死亡事故にもつながります。自分はもちろん周囲にも迷惑をかけないためにも、警告灯が点灯したら「次の車検までに修理しておけばいいか」ではなく、すぐに自動車販売店や修理工場へ車を持ち込みプロに診てもらうようにましょう。