最近の新車はなぜ高い?正しい買い方教えます

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ETCコーポレートカード

新車の価格は上昇しているが手取り額は年少減少している

高いと思いませんか?最近の新車。国産車・外車を問わず、車両本体価格は上昇傾向が続いており、その勢いが止まりません。いったいどれくらい高くなったのか。トヨタのカローラを例に挙げると、1995年5月に販売を開始したカローラの価格帯は91万円からでした。それから25年の時を経て現在販売されているカローラ エクシオは最も安いグレード1.5Xで、150万円から。その差はなんと60万円。

 

では、我々サラーリーマンの平均年収も同じように上昇しているのかと言うと、残念ながらそうではありません。国税庁が発表した【民間給与実態統計調査結果】によると、1997年の平均給与は467万円だったのが、2017年は432万円まで減少なんと35万円も下がっているのです。さらに消費税は5%から8%へ3%も増加。国民年金保険料や介護保険料といった社会保障費も年々上昇を続けているので、実質の可処分所得(給料の総支給額から年金や健康保険料を差し引いた実質の手取り額)はこの20年間で50万円程減少している感覚です。

トヨタ カローラ XEサルーン

トヨタ カローラ 1.5X

1997年2017年
車両本体価格91万円〜150万円〜
平均年収467万円432万円

出典:国税庁 税務統計から見た民間給与の実態

「そんなお財布事情では、20代30代の若い人たちは新車なんかとても買えないだろう」と思いますがむしろその逆で、「よくそんな良い車が買えたよね?」と思ってしまう人も増えています。

彼ら彼女らの支払方法のほとんどはローン、分割払い。しかし毎月の支払いや任意保険料、ガソリン代などが重くのしかかり、「車を買ってから毎月の生活が苦しくなった」というケースも少なくありません。

 

原因は、本人たちの知識不足

新車を安く、正しく購入する知識がないばかりに、不要な車に不要なグレード、不要なオプションに不要な支払い方法を選択して契約してしまうのです。例えば不要なローンの代表格である「残価設定型ローン」通称「残価クレ」。このローンは、約10年程前から自動車メーカー各社が販売を強化するようになりました。

甘い言葉に気をつけて。残価設定型ローンのうたい文句

仕組みを簡単に説明すると、3、4、5年後の数年先の車の査定価格をあらかじめ決めておき、ローンの元金からその価格分を差し引いて分割払いをする方法。通常の分割ローンよりも少ない金額で支払うことがメリットですが、デメリットはこの支払方法を一度でも選択してしまうと一生車のローンが終わらない、ローン地獄に陥ってしまうこと。

知識の浅い、若い独身やファミリーが「この金額なら私でも毎月支払っていける!」と、先のことを考えずに契約をしてしまい、その結果、後々生活が苦しくなっていくのです。

 

こうした現状を危惧して、今回から「若い独身・子育て世代が新車購入時に気を付けてほしい3つのポイント」と題して全3回シリーズに渡ってお送りしていきます。

 

今回なぜこのような内容で記事を書こうと決起したのか、その理由は2つ

  1. 新車を買おうと考えている若い独身・子育て世代に、最近の新車がいかに高い買い物なのか、を知ってもらい、本当に新車がいま必要なのか、をよく考えてもらいたい
  2. どうしても新車が必要なら、少しでも無駄な費用をかけずに安く購入する方法を知ってほしい

 

新車に乗り換えることで生活に活力が生まれ、仕事も頑張れる、毎日が楽しくなる、誰もがそう願って新車を買うのに、いざ支払がスタートすると毎月の返済額が家計を圧迫し、手元にお金が残らないから給油もできない、給油ができないから遠出もできない。結局は車のローンの支払いのためだけに働くことになり、生活の豊かさはむしろ貧しくなるばかり。このような悲惨な事態に陥ってほしくないのです。

 

年明けから自動車販売店各社が新春初売りセールを始めます。そして年度末の3月まで「決算セール」が続きます。各社この時期ばかりは大量に販売台数をカチ上げようと必死になるので、CMや広告もバンバン打ちます。しかし「決算セール」という一見お買い得そうな言葉に惑わされてはいけません。

 

新車の購入はマイホームに次ぐ高い買い物。家計に余裕があれば新車を買っても問題はないでしょうし、オプションもフル装備で付けていいと思います。しかし余裕もないのに、あれもこれもとオプションを沢山付けて新車を買ってしまえば、この先何十年にも渡って生活を苦しめることにもなりかねません。

 

「本当にいま新車を買わなければいけないのか?」ということを立ち止まって考えてもらい、どうしても買わなければいけないのならば「本当にこの見積もり内容でいいのか?」「本当にこの支払い方法でいいのか?」といったところまで考えて購入して欲しいと思います。

過去15年間に渡り、自動車販売の現場に身を置いてきた筆者が炎上覚悟、本音で語ります。

なぜ新車の価格上昇が止まらないのか

軽自動車が200万円を、2000ccの4WD車が300万円を超える時代になりました。

下の画像は日産セレナの見積書。総額が410万円を超えています。セレナに関わらず、トヨタやホンダの同等サイズのミニバンも同じような価格帯です。このようなミドルサイズのミニバンは、30代40代の子育てファミリー世代をターゲットとしていますが、彼らの平均年収で400万円の買い物は高すぎると思います。

参考の見積書は「e-power」と呼ばれるハイブリッド車のようなグレードですが、仮にこれが普通のガソリン車であっても350万円はします。

なぜここまで車の価格はモデルチェンジの度に高騰していくのでしょうか。

筆者が入手した日産セレナの見積書

安全装置や便利?な機能が充実しすぎ

「ぶつからない車」スバルのアイサイトが世に出た当時は日本中に衝撃を与えましたが、今やそんな自動ブレーキは軽自動車でも全車標準装備に。

その他、アクセルとブレーキの踏み間違いを防止する誤発信抑制機能、障害物を感知して音で知らせてくれるコーナーセンサーや車線逸脱防止機能など、10年前に比べて多数の安全装置が付けられるようになりました。

 

事故を未然に防ぎ人の命が守られるのは憂うべきことですが、このような装置が多数標準装備されればされるほど、車の価格は高くなってしまいますし、オプションとして追加すれば10万、20万円はすぐにアップしてしまう。

これが価格を上昇させる要因の内の一つです。参考見積書、上部のブルーのラインをご覧下さい。

「セーフティパックB」はコーナーセンサー、ボタン式のサイドブレーキ、半自動運転装置等がついたセットオプションで、金額はプラス243,000円。便利とは思いますが、高いですよね。

オプションを3つに分類しよう

電動のスライドドアは便利だがその分価格はアップする

販売する側はできるだけ高い車、グレードを選んでもらい、できるだけ多くのオプションを付けてもらいたいもの。その分利益が出るからです。しかし勧められるがままのグレードやオプションを選択してはいけません。ただでさえ本体価格が高額化しているのに、オプションまであれもこれも、と付けていけばキリがないからです。それならばどうすればいいのか。正解は選択可能なオプションは「極力付けない」これでいいのです。

 

私は決して「オプションは一つも付けるな、削れるものは全て削れ」と言っているわけではありません。

中にはどうしても必要なオプションをはありますよね。そこで必要なものと、そうでないものを分類するために、オプションを優先順位を付けながら3種類に分類します。

  1. 安全なオプション
  2. 便利なオプション
  3. 自己満足なオプション

 

1,安全なオプションとは、自動ブレーキ、踏み間違い防止装置、暗闇を明るく照らすLEDヘッドランプといった、事故を未然に防ぎ人の命を守ってくれる装置のこと。これはあっても決して困るものではありません。

2,便利なオプションとは、サイドブレーキはボタンを押せばいいとか、スライドドアが両側電動式になるとか、快適になる装置のこと。これらは付けなくてもそこまで困るものではありませんよね。

3,自己満足なオプションとは、ホイールはアルミ製がいいとか、エアロパーツを付けたいだとか、安全性が増すわけでも利便性がアップするわけでもなく、ただ自己満足のためだけのオプション。ファミリーカーで奧さんに一番理解してもらえない部類です。はっきり言ってお金の無駄。

 

「自己満足なオプションは不要かもしれないが、便利なオプションには快適さにメリット・価値を感じるからお金を払うんだ」という意見もあるかと思います。それは重々承知で、便利なオプションは付けられるだけ付けたほうが快適になるに決まっています。

しかし、今回の記事は「新車の本体価格自体が高額化しすぎているし、給料も年々減少しているんだから、削れるところは削らないと、オプションを全部盛りでローン契約をすれば後々家計が苦しくなって破産しちゃいますよ、気をつけて下さいね」という趣旨でした。その新車は本当に必要なのか、そのグレードじゃなければいけないのか、そのオプションは本当に必要なものなのか、そこに警鐘を鳴らしているのです。

 

例えば欲しい車がスライドドア車、助手席側は電動式が標準装備だけど運転席側は10万円のオプション設定だとします。両側電動式にした方が便利に決まってますが、片側だけでも必要十分と思えないでしょうか?

「今の車がスライドドアじゃないから、スライド式になるだけ便利になるよね!」

このくらい前向きな思考でもいいと思います。

3.自己満足なオプションを選ぶくらいなら、2の便利なオプションにお金をまわす。

2.便利なオプションを選ぶ時は、1の安全なオプションにまわせないか考えてみる。

このように優先順位を付けて無駄を削ぎ落すことで、安全面は確保しながらも総額を抑えた見積書を作り上げていくことが可能になるのです。

まとめ

  • 新車の値段は年々上昇傾向
  • 給与所得者の手取り額は年々減少傾向
  • 高額化した新車の購入は慎重に
  • オプションはできるだ多く付けたいが高額化に注意
  • オプションには「安全なオプション」・「便利なオプション」・「自己満足なオプション」の3つがある
  • 優先順位は→安全〉便利〉自己満足

 

いかがでしたでしょうか?

今回は「シリーズ 若い世代が新車を購入する時に気をつけて欲しいこと第一回目」として、オプションに対する考え方、向き合い方のような点についてお話ししてきました。出来るだけたくさんのオプションを付けたい気持ちは分かりますが、予算の範囲内で「安全なオプション」から優先して付けていくよう心がけましょう。

 

 

 

 

 

 

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