うそっ?落下物が原因で7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金?

高速道路での落下物が後を絶ちません。

【高速道路でバスからスーツケース10個落下、運転手拾う】

2018年1月18日午後1時20分ごろ、名古屋市南区の名古屋高速で、走行していた観光バスから複数の荷物が道路上に落下した。名古屋高速道路によると、現場は星崎料金所近くのカーブ。座席の下の収納スペースから、10個ほどのスーツケースが落ち、運転手がバスを降りて拾ったという。1/18(木) 14:55配信 朝日新聞 YAHOO!JAPAN ニュース

こんな大きなものが突然目の前に現れたらビックリしますよね。今回は幸い事故もなく、けが人も出なかったようですが、一歩間違えば大事故になっていました。昨年2017年10月は、中国自動車道上り線で大型トレーラーが、路上に落ちていたタイヤに乗り上げ横転し、路肩に避難していた2人に衝突し死亡するという痛ましい事故があったばかりです。事故直後はニュース番組で毎日のように落下物に関する報道がされていましたが、あれから3ヶ月、事故の記憶は私たちの頭からは薄れようとしています。

落下物による事故を起こさないためにも、あらためて、落下物を防止するための方法や、落下物を発見した際に取るべき行動などをみていきましょう。

目次

落下物は約4分に1件発生

NEXCO 西日本は、管内における平成28 年度の落下物発生状況を以下のように取りまとめました。

【平成28 年度落下物発生状況】
○ 年間で約131,000 件の落下物が発生 ⇒ 1日あたり約360 件 ⇒ 約4 分に1 件
○ 発生件数の分類別ワースト3は以下のとおり。過去3 年間、分類別ワースト3は変わらず。
① プラスチック・ビニール・布類(プラスチック容器、ごみ袋、毛布、シート類) 〔33%〕
② 自動車部品類(タイヤや自動車付属品等) 〔11%〕
③ 木材類(角材やベニヤ等) 〔10%〕

画像引用:ネクスコ西日

高速道路にはどんな物が落ちているのか

ネクスコ西日本の発表によると、落下物を分類別にみると、布類やシート類が最も多く(約33%)、次にタイヤや自動車付属品などの自動車部品(約11%)、角材やベニヤなどの木材類(約10%)となっています。 

阪神高速でも年間25000件の落下物があると発表しています。

プラスチック製の箱タイヤ木片

高速道路では物を落とした時点で道交法違反

落下物は落とし主の責任で、法律により罰せられます。

また第三者に損害を与えた場合は落とし主に賠償責任が生じます。

道路交通法 第75条の10 抜粋
自動車の運転者は(一部省略)積載している物を転落させ、
若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。

罰則】3ヶ月以下の懲役、若しくは5万円以下の罰金、又は10万円以下の罰金。

 

万が一、運転中に必要な注意を怠って高速道路上にスペアタイヤを落下させてしまったことで、後続車がスペアタイヤに乗り上げて事故にあい、人が死傷した場合は、過失運転致死傷罪が成立する可能性が高いです。

この場合、刑事罰は7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金です。

落下物を防止するためにできること

ロープなどでしっかり固定

画像引用:阪神高速ドライバーズサイト http://www.hanshin-exp.co.jp/drivers/

シートで積み荷を覆う

画像引用:阪神高速ドライバーズサイト http://www.hanshin-exp.co.jp/drivers/

重さを均等に積載する

画像引用:阪神高速ドライバーズサイト http://www.hanshin-exp.co.jp/drivers/

高速道路では、スピードを出すほど車外の荷物は強い風圧を受け、振動も増します。大型トラックは紐や固定具などでしっかりと積み荷を固定してください。普通乗用車でスノーボードやサーフボード、ロードバイクなどを車外に積むときも同様です。出発前にしっかりと荷物を固定したつもりでも、高速走行が続くと徐々に緩んでしまいます。サービスエリアに立ち寄った際など、休憩時に荷物の緩みを確認しましょう。土、瓦礫、紙類などはシートで全体を覆うようにして落下を防止します。風で飛びやすいものは特に注意しましょう。大型トラックは積み荷が左右に偏らないよう積み荷を均等にしてください。過積載は厳禁ですよ。

後続車が事故にあわないために注意すること

  • 車間距離を十分に取る:後続車が落下物事故にあわないためには車間距離を十分に取ることが大切です
  • わき見運転に気を付ける:わき見運転をしていては、目の前の落下物に気づきません。また道路情報板に落下物の表示があったときは、前方の道路状況や先行車の動きなどに注意して走行しましょう
  • 速度を控える:高速走行中は落下物を発見してから、ハンドルやブレーキで事故を回避できる時間が短くなります。すぐに止まれるように、スピードを控えましょう

物を落としてしまったら、落下物を見つけたら

画像引用:NEXCO中日本http://www.c-nexco.co.jp/safety/9910/

高速道路を走行中に落下物と衝突して、やむをえず停車するときは、非常駐車帯に車を止めて下さい。周囲をよく見渡し、周囲の安全を確認したうえで、非常電話などから事故を通報します。非常電話は本線上(1kmおき)、トンネル内(200mおき)、インターチェンジ、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、バスストップ、非常駐車帯に設置されています。

路肩に停車するときは、ハザードランプを点灯させてから、クルマを路肩に寄せます。停車後は発炎筒や停止表示板を置き、ガードレールの外など安全な場所に避難してから通報しましょう。 
走行中で同乗者の方がいる場合は、同乗者の方から道路緊急ダイヤルに電話をしてください。全国の高速道路・国土交通省が管理する国道はすべて、24時間、無料で利用できます。通報は「道路緊急ダイヤル(#9910)」でも可能です。

道路緊急ダイヤル #9910 「故障車」や「落下物」・「道路の破損」などを見つけたら

この専用ダイヤルは高速道路や国道などの幹線道路での落下物や道路の破損など異常を発見した際の通報に利用できます。通報時は落下物のあった車線や地点を覚えておくと、スムーズに伝えることができます。落下物を発見したときの通報は、サービスエリアなどの休憩施設や料金所の係員に伝えることもできます。

※運転中、ドライバー本人が携帯電話等で通話をすることは危険です。絶対にしないで下さい。

落下物を減らして快適で走りやすい高速道路に

落下物が原因で人の命が奪われることもあります。積み荷を落とすの一瞬ですが、後悔は一生続きます。これからも私たちが安心して快適に高速道路を利用できるよう、落下物防止に努めていきましょう。

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