天災は忘れた頃にやってくる
まだまだ私たちの記憶にも新しい熊本大地震 。2016年4月14日に起きたこの巨大地震は、気象庁震度階級では最も大きい震度7を観測し、社会設備に甚大な被害を出しました。報道によると、熊本県の 橋梁、道路、河川、公園等の推計被害額は1,700億円以上。高速道路では前震と本震の二回の揺れにより、3路線152km(九州自動車道 南関IC~えびのIC、南九州自動車道 八代JCT~日奈久IC、九州中央自動車道 嘉島JCT~益城本線料金所(TB))が通行止めになりました。
政府の地震調査委員会によると、2017年1月1日現在、今後南海トラフ沿いで10年以内にマグニチュード(M)8~9級の地震が発生する確率を「20~30%」と発表。これから高い確率で発生するであろう巨大地震に備えて、今回は高速道路を走行中に地震が起こった時に取るべき行動についてお伝えします。 緊急でも慌てず落ち着いて行動できるように一読しておきましょう。
目次
高速道路を走行中に地震が発生したら
- 道路を左側に寄せて停止する
追突を招く可能性がありますので、 決して急ブレーキをかけないでください。周囲の状況をよく見渡しながら、ハザードランプを点滅させて注意を喚起します。クルマのハンドル操作を慌てずに、ゆっくりと減速しながら左側の路側帯に停車して、エンジンを止めましょう。
- 三角表示板を設置して追突事故を防ぐ
エンジンを止めたら、追突事故が起きないよう停止表示板を車両の後方い設置します。また前後の車両の間隔をとるなどの、余震などへの予防措置をとります。
- のり面、トンネル付近は避けて停止
長大のり面( 切土や盛土により作られる人工的な斜面)の下やトンネル付近では、震度によって崩落の危険性があります。できるだけその場所をさけて停車しましょう。
- サービスエリアなどの休憩施設では係員の避難誘導に従う
SAやPAには係員がいますので、彼らの避難誘導に従いましょう。個々が車に乗って走り出すことは危険です。
- 揺れが収まるまでは車内で待機
車を停止させてすぐに車外に飛び出すと危険な場合があります。揺れがおさまるまでは車外に出ず、そのまま車内に待機しましょう。その間、車でラジオが聴けたりテレビが観れたりできれば、緊急地震速報や道路交通情報を聞いて情報収集をします。沿岸部は津波の可能性がありますので、津波の高さや到達時間などを確認します。
またSNSのデマにも注意して下さい。実際に熊本地震ではツイッターで「ライオンが檻から逃げ出した」というデマが拡散され多くの人が嘘の情報に困惑しました。できるだけ「公共機関の情報」を信用するようにしましょう。
- 車はそのまま駐車して避難
2014年11月21日施行 災害対策基本法の一部が改正
首都直下地震や大雪などの大規模災害時に緊急通行車両の通行の妨害となる場合に、緊急車両の通行を確保する緊急の必要がある場合、道路管理者は、区間を指定して以下を実施。
(その際、やむを得ない限度での破損を容認し、併せて損失補償規定を整備) |
いざという時に役に立つ車載防災グッズ
- 水(常時、1Lぐらいポリタンクに入れておくことが理想)
- 食料(調理なしで食べられるもの)
- 灯火類
- 携帯ラジオ(エンジンがかからず、ラジオが聞けないことがあるので)
- 応急医薬品
- 毛布
- 車脱出用ハンマー