行楽シーズンにドライブに出かけたものの、高速道路で大渋滞。そんな時に限ってガソリンが残りあと僅か。次のガソリンスタンド(GS)まで無事にたどり着けるだろうか。不安と恐怖に怯えながら、命からがら給油所へ。
こんな経験をした方も多いのではないでしょうか?なんとかGSまで辿り着ければまだいい方ですが、万が一高速道路でガス欠になってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。
今回は高速道路でガス欠になったときの対処法について解説します。
目次
高速道路でガス欠になった時の対処法
1.ハザードランプを点灯させて路肩に止める
ガス欠になっても、エンジンが止まっていなければハンドルとフットブレーキは操作可能です。徐々にスピードが落ち始めますので、ハザードランプを点灯させ、後方に気をつけながらできるだけ路肩に寄せましょう。
2.路肩に止めた後は、発煙筒と三角表示板を車の後方に置く
同乗者を避難させてから、発炎筒、停止表示器材を車から50m以上後方に置きます(見通しが悪い場合、さらに後方に)。燃料漏れの際は、引火の危険があるので発炎筒は使わないで下さい。
※故障や事故で高速道路上に車両を停止する場合は、停止表示板などの停止表示器材を置くことが義務付けられています。
3.ガードレールの外側に避難
同乗者といっしょにガードレールの外側に避難します。橋や高架など外側に避難できない場合は車から離れてガードレールに身を寄せます。追突された際に巻き添えにならないように車より後方に避難して下さい。
4.JAFか任意保険のロードサービスに電話
- JAF
電話番号は『♯8139』携帯電話からでもつながります。JAF会員は無料対応ですが燃料代はさすがに実費。ちなみに非会員だとけっこうお金がかかります。10290円~19540円(税込み)。時間帯や、高速道路の本線上かSA・PA等、場所によって料金が異なります。
- 任意保険会社のロードサービス
大手の保険会社はロードサービスが自動付帯。年に一回は無料で利用できます。
例えば東京海上日動のトータルアシスト自動車保険『燃料切れ時ガソリン配達サービス』は、 契約の車が道路上でガス欠となった場合に、ガソリン(レギュラー、ハイオクに限ります。)または軽油を10リットル届けてくれます。
知っておくと助かるガス欠関連の情報
高速道路のGSは減少傾向
高速道路のガソリンスタンドの数は年々減少しています。国土交通省の発表によると、高速道路100㎞当たりのGSの数は2005年で2.6カ所でしたが、2015年は2.3カ所に。さらに 高速道路で100㎞以上もGSがない「空白区間」は、全国で83カ所にも上ります(2015年4月時点)。GSの数は減少傾向で空白区間も多数存在、ということは高速道路では常にガス欠のリスクと隣合わせ、ということですね。
高速道路の出動要請で燃料切れは第二位
平成28年年末 29年年始のロードサービス救援依頼内容(四輪・二輪)
順位 | 救援依頼内容 | 件数 | 構成比 |
---|---|---|---|
1 | タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 | 376 | 25.72 |
2 | 燃料切れ | 186 | 12.72 |
3 | 事故 | 116 | 7.93 |
4 | 過放電バッテリー | 107 | 7.32 |
5 | 発電機/充電回路 | 40 | 2.74 |
6 | オートマチックミッション | 29 | 1.98 |
7 | エンジンオイルの不足、補充 | 23 | 1.57 |
8 | キー閉じ込み | 22 | 1.50 |
9 | 破損/劣化バッテリー | 20 | 1.37 |
10 | クリップ・ハブ・ベアリング | 19 | 1.30 |
以上計 | 938 | 64.16 | |
その他合計 | 524 | 35.84 | |
総合計 | 1462 | 100.00 |
注)調査期間:平成28年12月30日(金)~平成29年1月3日(火)
JAF(日本自動車連盟)の発表によると、平成29年年末 30年年始のロードサービス救援依頼内容(四輪・二輪)で、高速道路での燃料切れの出動件数は、タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足についで第二位でした(186件)。これは全体の約13%。また年末年始に限らず、ゴールデンウィークやお盆休み、全てのレジャーシーズンで二番目の出動件数となります。これだけ高速道路でのガス欠件数は日常的に多いのです。
ガス欠が原因で重大事故に
ガス欠のリスクは走行不能になるだけではありません。負傷事故も起きています。
2015年5月11日午後5時半ごろ、兵庫県明石市の第二神明道路で、燃料が切れたためため片側3車線道路の左側車線で停止していた乗用車に中型トラックが追突し、乗用車に同乗していた女性ら6人が重軽傷 |
高速道路でガス欠は罰金です
意外と知られていませんが、高速道路上でガス欠が原因で車を停止させてしまうことは違反です。
道路交通法には【高速道路を走る前は、あらかじめガソリンや冷却水、オイルの量や積み荷の常態をチェックしておきましょう】という決まりごとがあります。この規定に違反して、高速道路上でガス欠になり警察に発見されるとキップを切られる可能性があります。処分の内容は以下の2点。
- 基礎点数2点
- 反則金9000円(普通車の場合)
要は「高速道路を走る前は、自分でできる最低限の点検は習慣づけておきましょうね」ということです。
ガソリンの警告灯が点灯してから何キロ走る?
国産車の場合は、目安としてガソリンの残量が10L程度で給油ランプが点灯します。車の燃費が5Km/Lとすると50kmは走行できる程度。近年のハイブリッド車ではリッター20Km走る車も珍しくありませんから、そうなると200Kmは航続可能です。しかしながらGSがあるサービスエリアの数は決して多くはありませんし、200km以上走らなければ次のサービスエリアまで辿り着けないような道路路線も全国には沢山存在します。どんなに燃費が良い車でも、油断は禁物です。
ガスの缶詰はいかが?
どんなにガス欠に用心していても、「うっかり給油し忘れた!」なんてこともあるかもしれません。そんな緊急事態に備えて『ガスの缶詰』はいかがですか?持ち運びが可能なガソリン缶です。
気になる価格は、 1リットル缶 4本セットで 3,908円(税込)。1Lが約1,000円と価格はかなり高いですが、いざという時には持っておくと安心ですね。
燃料タンク中のガソリンは9ヶ月で劣化しますが、ガソリン缶詰の使用期限は3年間。長期の保管が可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は高速道路でガス欠になったときの対処法と、ガス欠に関連する情報をお伝えしてきました。最近の車は燃費が格段に良くなり、満タンで1000キロ以上も走る車種も出てきました。給油回数が大幅に減った方も多いと思いますが、それでも油断は禁物です。
お伝えしたように、高速道路のGSの数は以前に比べて減少していますし、100キロ以上給油所がない空白区間も多数存在します。高速道路でガス欠で止まってしまうと、渋滞を発生させて事故の原因にもつながります。自分が困らないためにも、人に迷惑をかけないためにも、余裕をもった給油で安全に高速道路を走りましょう。