2020年以降、お乗りの車種によって任意保険料に差が出てくるようです。
自動車保険料の参考純率(参考値)を調査・公表している損害保険料率算出機構は、2020年1月1日以降に、型式別料率クラスを変更することを発表 |
自動車の任意保険料の基準は「保険契約者が過去に保険をつかったかどうか」により「1等級から20等級」にクラス分けされています。
また乗っている車の型式によっても保険料は変わります。車の大きさや装備、安全性能やユーザー層の特性などに基づき、リスクの違いを総合的に評価し「型式別料率クラス」を設けています。
一般的にはクラスが高いほど保険料は高く、低いほど保険料は安くなるように設定されています。料率クラスは過去の事故率をもとに損害料率算出機構が決定しますが、この機構が2020年1月1日以降、型式別料率クラスを変更することを発表したのです。
目次
軽自動車は一本だったクラスが三つに分類される
軽自動車はこれまで料率クラスは設定されておらず、保険料率は1クラスしかありませんでした。
これが2020年以降は3つのクラスに分類されます。
衝突軽減ブレーキ付き車の保険料は高くなる?
現在販売されている軽自動車(軽5ナンバー・軽7ナンバー・軽8ナンバー)で、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)付き車は保険料が9%割引されています(AEB割引)。しかし2020年以降、この割引は「発売後3年以内の型式」に限定されてしまいます。
機構の言い分としてはこう。
「発売後から3年も経過すれば、どの軽自動車の事故率が高いか低いかデータは十分に取れる。そのデータをもとクラスごとに保険料を適切に反映させるわ」
例えば軽自動車、「日産デイズ」の型式は「DBA-B21W」。この型式は2013年05月に届け出されていますので、デイズで衝突軽減ブレーキ付き車にお乗りの方は9%の割引が適用されています。しかし2018年現在、発売からすでに3年が経過していますので、2020年以降はAEB割引が受けられなくなります。このように、せっかく自動ブレーキ付きの軽自動車に乗り換えて保険料が安くなったと喜んでいる人にとってはガッカリな話ですよね。
しかし以前の記事でもご紹介したように、自家用普通乗用車や、自家用小型乗用車はすでに「発売から3年以内の型式措置」が取られているので、軽自動車もそれに合わた措置ということになります。
普通・小型乗用車の自動車保険も制度が変更
2020年からは普通車・小型乗用車(3ナンバー・5ナンバー・7ナンバー)も制度が変わります。これまで9クラスだったクラス数が17クラスに細分化されます。
クラス数を増やした機構の言い分としてはこう
「近年、安全運転をサポートする車(車線逸脱警報、障害物検知、踏み間違い防止機能等)が普及してきたやろ?これらの装備を付けた車は事故率も低いやろうから、ちゃんと保険料に反映させるわ」
一番安いクラスと、一番高いクラスの差は、これまで通り約4.3倍で変更はなし。
しかし、クラスが増えることによって、一つ上のクラスとの差は、1.2倍から√2(約1.1倍)に縮まります。
最終的な保険料は保険会社ごとに決まる
『自動車保険参考純率』は、あくまで参考値であり、最終的な保険料は、この参考値に各保険会社の人件費や管理手数料等がプラスされます。またネット通販系、外資系損保など、一部の損保会社は機構の保険料純率を参考にせず、独自に保険料を定めている会社もあります。またAEB割引等の各種割引を反映させるタイミングは保険会社ごとに異なりますので、2020年以降一律に保険料が変わるわけではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「2020年以降は任意保険料が変わる」という内容でお送りしてきました。
安全装置を備えた車の任意保険料が安くなる点は、理にかなっていると言えるでしょう。
ガソリン代同様、任意保険料も車のランニングコストとして経費を圧迫しますよね。
マイカーや社用車を購入する際「燃費や安全性能が決め手」という人は多いと思いますが、これからは購入予定車の任意保険料まで計算して検討してみてはいかがでしょうか。